はじめに:「頭痛の原因は首や肩こりだけではない?」
「頭がズキズキする…」「こめかみが締め付けられる感じがする…」
こうした頭痛の原因として、真っ先に思い浮かぶのは 首や肩のこり ではないでしょうか? デスクワークやスマホの使いすぎで首が固まり、血流が悪くなって頭痛が起こる、という話はよく耳にします。
しかし、実は 「体の中の圧力バランス」 も頭痛の大きな要因になっていることをご存じですか?
私たちの体には、 「横隔膜」 という大きな筋肉があり、これが 呼吸だけでなく、頭の圧力(脳圧) にまで影響を与えています。そして、その影響が 「硬膜」 という脳を包む膜を通じて頭痛につながることがあるのです。
この記事では、「横隔膜・硬膜・脳圧」の関係をわかりやすく解説しながら、 頭痛の新しい視点と改善方法 をお伝えしていきます!
横隔膜の役割:呼吸だけでなく、頭の圧力にも関係?
横隔膜(おうかくまく)という言葉を聞くと、「呼吸をするときに動く筋肉」というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?
実際に横隔膜は、肺のすぐ下にある 「膜のようなドーム状の筋肉」 で、呼吸とともに上下に動いています。 息を吸うと下がり、吐くと上がる という動きを繰り返し、肺に空気を取り込みます。
しかし、横隔膜の働きは 呼吸だけではありません。
実は 「体の内側の圧力を調整するポンプ」 のような役割も果たしているのです。
横隔膜が動くと体の圧力が変わる
横隔膜は、 胸とお腹を分ける仕切り のような存在です。そのため、横隔膜が動くことで 「胸腔(きょうくう)」や「腹腔(ふくくう)」の圧力が変化 します。
この圧力変化は 全身に影響を与え、特に「頭の中の圧力(脳圧)」にもつながる ことが分かっています。
では、どのようにして横隔膜の動きが 頭の圧力(脳圧) に影響するのでしょうか? ここで関わってくるのが、「硬膜(こうまく)」 という脳と脊髄を包む膜の存在です。
硬膜とは? 〜脳を包む ‘クッション’ の秘密〜
私たちの脳は、「硬膜(こうまく)」 という膜に包まれています。硬膜は、頭蓋骨の内側にぴったりとくっつき、脳や脊髄を守る丈夫な膜 です。
この硬膜には 「圧力の調整役」 という重要な働きがあります。例えば、頭を強くぶつけたとき、脳が直接衝撃を受けないように クッションのように働く のも、硬膜の役割の一つです。
硬膜の内側には「脳脊髄液(のうせきずいえき)」がある
硬膜の内側には、「脳脊髄液(のうせきずいえき)」という透明な液体が満たされており、これが脳を浮かせて守っています。
この脳脊髄液は、循環しながら余分な老廃物を流し、脳の圧力を一定に保つ という大切な役割を担っています。
しかし、ここで重要なのが 「硬膜は頭蓋骨の中だけでなく、背骨(脊柱)を通じて全身につながっている」 という点です。つまり、頭の中の圧力は 「硬膜を通じて体の他の部分の影響を受ける」 のです。
特に、横隔膜の動きが硬膜の張力に影響し、それが頭の圧力(脳圧)を変化させる ことがわかっています。
次の項目では、この 「脳圧(頭蓋内圧)」が上がるとどうなるのか? について詳しく解説していきます。
脳圧(頭蓋内圧)が上がると、なぜ頭痛が起こる?
「頭がズキズキ痛む」「こめかみが締めつけられるような感じがする」 こういった頭痛の裏には、「脳の中の圧力(脳圧)」 が関係していることがあります。
脳圧(頭蓋内圧)とは?
脳の中の圧力(頭蓋内圧、ICP) は、脳を満たしている 「脳脊髄液(のうせきずいえき)」 の量や、頭蓋骨内の血液量によって変化します。
通常、この圧力は一定に保たれていますが、何らかの原因で圧力が高まると頭痛が発生しやすくなる のです。
脳圧が上がると起こること
硬膜が引っ張られて痛みを感じる
- 硬膜には痛みを感じる神経(硬膜神経叢)が豊富に分布しています。
- 脳圧が上昇すると、硬膜が内側から押されることで神経が刺激され、ズキズキとした頭痛が起こります。
脳の血流が悪くなる
- 頭蓋内の圧力が上がると、血管が圧迫され、脳への血流が滞ります。
- これにより、酸素不足になり、頭がボーッとしたり、重い痛みが出る こともあります。
脳脊髄液の流れが滞る
硬膜の内部には、脳脊髄液が流れる通路(くも膜下腔) があります。
しかし、脳圧が上昇すると、この流れが悪くなり、脳全体がむくんだような状態 になり、圧迫感のある頭痛につながります。
なぜ脳圧が上がるのか?
脳圧が上がる原因の一つが、横隔膜の緊張 です。
- 横隔膜が固くなると、胸腔や腹腔の圧力バランスが崩れ、硬膜が下に引っ張られる ようになります。
- これにより、硬膜の張力が増し、頭蓋内圧が上がり、頭痛が発生しやすくなる のです。
次の項目では、「横隔膜と硬膜がどのようにつながっているのか?」 について詳しく解説していきます。
横隔膜と硬膜のつながり:体の中の “張力バランス”
横隔膜と硬膜は、一見まったく関係がないように思えますが、実は 体の中で「張力のバランス」を調整する重要なパートナー です。
硬膜は背骨を通じて全身とつながっている
硬膜は、頭蓋骨の内側を覆うだけでなく、脊髄を包みながら背骨(脊柱)を通って仙骨まで続いています。
つまり、硬膜は頭蓋と背骨をつなぐ「一本の膜」 のようなものなのです。
このため、背骨の状態や姿勢の変化、横隔膜の動きが硬膜に影響 を与えます。
横隔膜の緊張が硬膜を引っ張るメカニズム
横隔膜は 胸とお腹を隔てるドーム状の筋肉 であり、呼吸に合わせて 上下に動くことで胸腔と腹腔の圧力を調整 しています。
しかし、何らかの理由で横隔膜が硬くなると、次のような影響が生じます。
横隔膜が緊張 → 胸腔内圧が上昇
横隔膜が硬くなると、呼吸の動きが制限され、胸腔内圧が上昇します。
胸腔内圧の変化 → 硬膜が引っ張られる
胸腔とつながる 縦隔(じゅうかく)(心臓や大血管がある胸の中央の空間)を介して、脊柱の前面や硬膜管に張力が伝わる。
硬膜の張力が変化 → 頭蓋内圧が上昇
硬膜は一本の膜でつながっているため、下方向に引っ張られると、頭の中で張力が生まれ、頭蓋内圧が上がる。
これが、硬膜の緊張による頭痛 につながる。
“張力バランス” を整えることが頭痛予防につながる
- 硬膜は 全身の張力バランスに影響を受ける ため、横隔膜を含めた体のバランスを整えることが、脳圧の安定につながる。
- 特に 横隔膜の緊張をほぐすことで、頭蓋内の圧力を正常に保ち、頭痛を予防する ことができる。
整体なおでの施術アプローチ:横隔膜と硬膜のバランスを整える
「整体なお」では、頭痛の根本原因として 「体の圧力バランス」 に注目し、横隔膜と硬膜のつながりを考えた施術を行っています。一般的なマッサージや首・肩の施術だけでなく、呼吸・内臓・自律神経の働きを含めた全身の調整 を大切にしています。
横隔膜の緊張をゆるめる施術
横隔膜が硬くなると、呼吸が浅くなり、胸腔や腹腔の圧力バランスが崩れます。この影響が 硬膜を引っ張り、頭痛を引き起こす ことも少なくありません。
「整体なお」では、オステオパシーの技術を用いて、横隔膜の動きをスムーズにする施術 を行います。
✅ 横隔膜リリース
腹や肋骨の周りを軽く調整し、横隔膜の可動域を回復。
呼吸が深くなり、自律神経の働きが整うことで、緊張型頭痛の改善が期待できる。
硬膜の調整で頭の圧力バランスを整える
硬膜の緊張は 頭蓋内圧(脳圧)の変化や頭痛に直結 します。「整体なお」では、頭蓋オステオパシー の手技を使い、頭蓋骨や首のバランスを整え、硬膜の緊張をやわらげる施術を行っています。
✅ 頭蓋オステオパシー(クラニオセイクラルセラピー)
- 頭蓋骨の微細な動きを調整し、脳脊髄液の流れを改善。
- 頭の圧迫感がやわらぎ、こめかみや後頭部の痛みが軽減。
- 目の奥の疲れや、ストレスによる緊張型頭痛にも効果的。
全身のバランスを整えて、頭痛を根本から改善
横隔膜と硬膜の調整に加えて、骨盤や背骨のゆがみを整えることで、さらに頭痛を改善しやすくなります。
✅ 骨盤・背骨の調整
- 硬膜は仙骨(骨盤の中心にある骨)ともつながっているため、仙骨の動きを調整すると 頭の圧力バランスが安定。
- 背骨全体の動きが良くなり、血流が改善し、「肩こり・首こりが原因の頭痛」も軽減 される。
整体なおの施術が目指すこと
- その場しのぎのマッサージではなく、頭痛の根本原因を整えること。
- 横隔膜・硬膜・全身のつながりを意識した施術で、体全体の圧力バランスを整える。
- 自律神経を整え、呼吸を深くし、頭痛の起こりにくい身体へ導く。
頭痛に悩んでいる方は、ぜひ一度「整体なお」で 横隔膜と硬膜を調整する施術 を体験してみてください!
まとめ:頭痛対策は “全身のバランス” から考えよう
頭痛の原因は、首や肩のコリだけでなく、体の内側の圧力バランス にも関係しています。
✅ 横隔膜の緊張が、胸腔や腹腔の圧力を変化させる。
✅ 硬膜は脳と背骨をつなぐ膜で、横隔膜の影響を受ける。
✅ 硬膜が引っ張られると、脳圧が上昇し、頭痛が発生しやすくなる。
つまり、「呼吸の浅さ」や「姿勢の崩れ」が、頭の圧力バランスを乱し、頭痛を引き起こす こともあるのです。
「整体なお」では、横隔膜・硬膜・頭蓋の調整を通じて、頭痛の根本的な改善をサポート しています。
・その場しのぎのマッサージではなく、体全体の圧力バランスを整える施術
・自律神経や呼吸の働きを意識したアプローチで、根本改善を目指す
頭痛に悩んでいる方は、ぜひ一度 「整体なお」の施術を体験してみてください!
全身のバランスを整えることで、長年の頭痛がラクになる可能性 があります。
整体なおは用賀駅徒歩1分の整体院です。
鍼やオステオパシーでの肩こり腰痛の改善、こども整体での発達障害対応、自律神経調整による頭痛・不眠の改善などご相談を受けております。
メニュー紹介
こども整体
オステオパシーとは
脳バランス整体とは
どちら側が弱くなっているか、または強くなりすぎているか
どこの部位が弱くなっているか、または強くなっているか
を見極めて、適切な...
鍼治療
オステオパシーで使われる手技「筋骨格系・内臓・頭蓋」
例...
頭蓋オステオパシーとは
この整体コラムを書いた人
整体院整体なお院長・鍼灸あん摩マッサージ指圧師・整体師直井 昌之

経歴
早稲田大学スポーツ科学部卒業
日本鍼灸理療専門学校昼本科卒業
卒業後、修行のため神奈川県市の鍼灸接骨院で働き、ケガの処置やマッサージについて学ぶ
根本的な体の改善を目指すために、トレーニング、理学療法や整体、カイロプラクティック、機能神経学、オステオパシーを学び始める。
自律神経失調症のセミナー フィリップ・ブルディーノD.O
内臓マニピュレーション リタ・ベナモアD.O
内蔵オステオパシー泌尿生殖器セミナー ジェローム・バティストD.O,M.D
オステオパシーの診療における診断と治療 カール・スティールD.O
マッスルエナジーテクニック国際セミナー 頸椎、胸椎、肋骨、腰椎 カイ・ミッチェルD.O
など計700時間以上の研修会に参加
資格
- 鍼灸あん摩マッサージ指圧師
- 中学高校体育教員免許
所属団体
- 日本オステオパシーメディスン協会・スティルアカデミージャパン4期生
メッセージ
オステオパシーを中心とした手技による施術をメインで行っております。
少しでも快適な生活を送れるようにサポートしていければと思います。
「院長あいさつ」にさらに詳しいプロフィールを載せていますのでぜひご覧ください。
お電話でのお問合せ・ご予約はこちらへ
TEL:070-8360-0722
受付時間:10:00~21:00(最終受付20:00)
定休日:火曜
整体コラムに関連する記事