仙腸関節とは?
仙腸関節(せんちょうかんせつ)は、骨盤の中央にある「仙骨(せんこつ)」と、その両側にある「腸骨(ちょうこつ)」をつなぐ関節です。この関節は非常にわずかな可動域しか持たず、安定性が高い一方で、適切な動きが損なわれると全身に影響を及ぼす可能性があります。
仙腸関節は、歩行や姿勢の維持、体のバランスをとる上で重要な役割を果たしています。特に、衝撃の吸収や力の分散に関与しており、この関節が正常に機能していることで、腰や下半身への負担が適切にコントロールされます。
しかし、何らかの理由で仙腸関節がゆがむと、その影響は腰や股関節だけでなく、全身へと広がる可能性があります。では、仙腸関節のゆがみがどのような不調を引き起こすのか、具体的に見ていきましょう。
仙腸関節の歪みが腰痛・股関節痛・膝痛につながる理由
仙腸関節のゆがみは、次のようなメカニズムで全身の不調につながります。
① 腰痛の原因になる
仙腸関節は、腰椎(ようつい)と連携して体を支えています。しかし、この関節にゆがみが生じると、周囲の筋肉が過剰に緊張し、腰に負担がかかることになります。特に、長時間のデスクワークや立ち仕事をしている方は、骨盤のバランスが崩れやすく、腰痛の原因となることが多いです。
② 股関節の痛みを引き起こす
仙腸関節がゆがむことで、骨盤全体の傾きが変わり、それに伴って股関節の動きも制限されます。その結果、股関節に不自然な負荷がかかり、炎症や痛みを引き起こしやすくなります。特に、片方の股関節だけに違和感を感じる場合は、仙腸関節のゆがみが影響している可能性が高いでしょう。
③ 膝痛の要因になる
骨盤が傾くと、下半身のバランスが崩れ、膝への負担も増加します。例えば、仙腸関節のゆがみによって片足に体重がかかりやすくなると、膝の関節にかかる負担が不均等になり、痛みの原因となることがあります。膝痛が長引いている場合、膝そのものの問題ではなく、骨盤の歪みを疑うべきケースも多いのです。
④ 自律神経の乱れを引き起こす
仙腸関節の近くには、自律神経を調整する神経が通っています。関節のゆがみにより神経が圧迫されると、自律神経の働きが乱れ、冷えや便秘、不眠、頭痛といった全身の不調を引き起こすこともあります。
体の使い方と姿勢の改善が重要
仙腸関節のゆがみを防ぐためには、日常生活の中で正しい体の使い方を意識することが大切です。具体的には、次のようなポイントを意識しましょう。
① 正しい座り方を意識する
長時間座るときは、骨盤を立てた状態で座ることが重要です。背もたれに寄りかかるような姿勢を続けていると、骨盤が後傾し、仙腸関節に負担がかかります。椅子に座る際は、お尻の下にクッションを敷くなどして、正しい姿勢を保つ工夫をするとよいでしょう。
② 片足重心を避ける
立っているときや歩くときに、無意識に片足に体重をかける癖があると、骨盤のバランスが崩れ、仙腸関節のゆがみにつながります。均等に体重をかけるように意識し、バランスの良い立ち方を心がけましょう。
③ 適度な運動を取り入れる
仙腸関節周辺の筋肉を適度に動かすことで、関節の動きがスムーズになります。特に、ストレッチや軽いウォーキングは、仙腸関節の安定性を高めるのに効果的です。
④ 睡眠時の姿勢を見直す
仰向けで寝る際に腰が浮いてしまう場合は、膝の下にクッションを入れると、骨盤の負担が軽減されます。また、横向きで寝る際は、膝の間にクッションを挟むことで、骨盤の歪みを防ぐことができます。
整体やオステオパシーでのアプローチ
仙腸関節のゆがみを改善するには、専門的な施術を受けることも有効です。特に、整体やオステオパシーでは、骨盤や関節のバランスを整え、身体全体の機能を改善するアプローチが行われます。
① 仙腸関節の調整
整体では、骨盤のバランスをチェックし、関節の可動域を適切に調整します。オステオパシーでは、関節だけでなく筋膜や内臓の動きも考慮しながら、体のバランスを整えます。
② 筋肉の緊張をほぐす
仙腸関節周囲の筋肉が過剰に緊張している場合、緩める施術を行うことで、関節の動きがスムーズになります。
③ 日常生活のアドバイス
整体やオステオパシーの施術では、施術後の体のケア方法や姿勢の指導も行われます。施術を受けるだけでなく、日々の生活の中で意識することで、より長く健康な状態を保つことができます。
まとめ
仙腸関節のゆがみは、腰痛や股関節痛、膝痛だけでなく、自律神経の乱れなど全身の不調につながる可能性があります。日常生活での姿勢や体の使い方を見直し、必要に応じて整体やオステオパシーの施術を受けることで、健康な体を維持することができます。
身体の不調が続く場合は、仙腸関節のバランスを見直してみるのも一つの方法です。自分の体と向き合い、無理なく快適に過ごせるようにしましょう。
整体なおは用賀駅徒歩1分の整体院です。
鍼やオステオパシーでの肩こり腰痛の改善、こども整体での発達障害対応、自律神経調整による頭痛・不眠の改善などご相談を受けております。
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この整体コラムを書いた人
整体院整体なお院長・鍼灸あん摩マッサージ指圧師・整体師直井 昌之

経歴
早稲田大学スポーツ科学部卒業
日本鍼灸理療専門学校昼本科卒業
卒業後、修行のため神奈川県市の鍼灸接骨院で働き、ケガの処置やマッサージについて学ぶ
根本的な体の改善を目指すために、トレーニング、理学療法や整体、カイロプラクティック、機能神経学、オステオパシーを学び始める。
自律神経失調症のセミナー フィリップ・ブルディーノD.O
内臓マニピュレーション リタ・ベナモアD.O
内蔵オステオパシー泌尿生殖器セミナー ジェローム・バティストD.O,M.D
オステオパシーの診療における診断と治療 カール・スティールD.O
マッスルエナジーテクニック国際セミナー 頸椎、胸椎、肋骨、腰椎 カイ・ミッチェルD.O
など計700時間以上の研修会に参加
資格
- 鍼灸あん摩マッサージ指圧師
- 中学高校体育教員免許
所属団体
- 日本オステオパシーメディスン協会・スティルアカデミージャパン4期生
メッセージ
オステオパシーを中心とした手技による施術をメインで行っております。
少しでも快適な生活を送れるようにサポートしていければと思います。
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