目の疲れと肝臓の関係—整体で目の疲れを改善する方法

はじめに: 目の疲れはなぜ起こるのか

現代社会では、スマートフォンやパソコンを長時間使うことで、目の疲れに悩む人が増えています。ブルーライトや集中によるまばたきの減少、そして長時間の近距離視が原因で、目の筋肉が硬直し、疲労感が蓄積されます。
しかし、目の疲れは単なる使い過ぎだけが原因ではありません。実は、内臓の働きとも深く関係しているのです。特に、東洋医学では「目は肝臓の鏡」と言われ、肝臓の不調が目の疲れやかすみに影響を与えると考えられています。
この記事では、肝臓と目の関係について掘り下げ、整体やオステオパシーを用いた目の疲れの改善方法をご紹介します。目の疲れの本当の原因を理解し、効果的なケア方法を見つけていきましょう。

肝臓と目の関係とは?—東洋医学の視点

東洋医学では、「肝は目に開竅(かいきょう)する」という考え方があります。これは、肝臓の働きが目の健康に直結しているという意味です。具体的には、肝臓は血液を貯蔵し、必要に応じて体中に送り出す役割を担っています。この血液の流れが滞ると、目に十分な栄養と酸素が行き渡らず、目の疲れやかすみ、乾燥感といった不調が現れやすくなります。
また、肝臓はストレスとも密接な関係があります。ストレスがたまると、肝臓の働きが低下し、血流が悪くなります。その結果、目の周りの筋肉が緊張し、ピント調整がうまくいかなくなります。これが、目の疲れやすさの原因のひとつです。
さらに、東洋医学では「肝は気の巡りを司る」とされています。気の巡りが悪いと、目が充血したり、疲れやすくなると考えられています。このため、肝臓の機能を整え、気の巡りを良くすることが、目の疲れを改善するカギとなります。
東洋医学の視点から見ると、目の疲れを感じたときには、単に目薬や休息で対処するだけでは不十分です。肝臓の働きや気の巡りを整えることが、根本的な解決につながります。次は、現代医学から見た「肝臓と目」の関係について詳しく見ていきましょう。

現代医学でも解明されつつある「肝臓と目」のつながり

東洋医学では古くから知られている「肝臓と目」の関係ですが、近年の現代医学でもそのつながりが明らかになりつつあります。肝臓は血液の浄化や栄養の代謝だけでなく、ビタミンAの貯蔵と供給にも重要な役割を果たしています。ビタミンAは視覚に欠かせない成分であり、これが不足すると「夜盲症」やドライアイ、目の疲れが生じます。
また、肝臓が解毒機能を担っていることも見逃せません。現代人は食品添加物や環境汚染、ストレスによって知らず知らずのうちに多くの毒素を体内に取り込んでいます。これを処理するために肝臓が疲弊すると、血液の質が低下し、目に十分な栄養が届かなくなります。その結果、目の充血やかすみ、疲れやすさが発生します。
さらに、肝臓は血流の調整役でもあります。肝臓の働きが低下すると血行不良が起こり、目の周りの毛細血管にも影響が出ます。これにより、目のクマやたるみ、疲労感が増してしまいます。特に、長時間のデスクワークやスマホの使用によって血流が悪化しやすい現代人にとっては、肝臓のケアがより重要です。
現代医学の視点からも、目の疲れを根本から改善するには、肝臓の健康維持が欠かせません。次は、オステオパシーがどのように「肝臓と目」の関係にアプローチしているのかを見ていきましょう。

オステオパシーが考える目と肝臓の関係

オステオパシーは、身体全体のつながりと自己治癒力を重視する手技療法です。オステオパシーの視点では、目の疲れも単なる局所的な問題ではなく、体内のバランスの乱れから生じると考えます。特に、肝臓と目の関係については、内臓と神経、血流のつながりが重要です。
まず、肝臓は横隔膜のすぐ下に位置しており、横隔膜の緊張は肝臓の働きに直接影響を与えます。横隔膜の動きが悪いと、肝臓の血液循環が滞り、解毒機能が低下します。その結果、目への栄養供給が不足し、疲れやすくなります。オステオパシーでは、この横隔膜の緊張を解消し、肝臓の働きを助けるための手技が用いられます。
また、オステオパシーの内臓マニピュレーションは、肝臓自体の可動性を改善します。肝臓が硬くなったり、位置がずれたりすると、周囲の神経や血管が圧迫され、目に必要な血流が減少します。内臓マニピュレーションでは、優しく肝臓を動かすことで、血流とリンパの流れを正常化し、目の疲れの原因を根本から解消します。
さらに、オステオパシーは自律神経のバランスにも注目しています。ストレスや疲労が溜まると交感神経が優位になり、血管が収縮してしまいます。肝臓と連動している副交感神経の働きを整えることで、全身のリラックス効果が生まれ、目の疲れや痛みが緩和されます。
このように、オステオパシーでは「肝臓と目のつながり」を多角的に捉え、全身のバランスを整えることで、目の疲れを改善しています。次は、具体的に整体でできる目の疲れ改善アプローチについて解説していきます。

整体でできる目の疲れ改善アプローチ

目の疲れを改善するために、整体では肝臓へのアプローチを中心に行います。目の疲れは単なる目の酷使だけでなく、肝臓の働きが低下していることが原因である場合が多いためです。ここでは、具体的な施術法として「内臓マニピュレーション」と「頭蓋オステオパシー」の2つを紹介します。

内臓マニピュレーションによる肝臓へのアプローチ

内臓マニピュレーションは、肝臓を含む内臓の可動性を回復させるための手技です。肝臓が硬くなると、その周囲にある血管や神経が圧迫され、目に必要な血流や栄養が滞ります。そこで、内臓マニピュレーションでは、優しく肝臓を動かし、血流とリンパの流れを改善します。
例えば、肝臓を包む「グリソン鞘」という膜の緊張を緩めることで、血液がスムーズに流れやすくなります。これにより、目に必要な酸素や栄養が行き渡り、疲れが軽減されます。また、肝臓の解毒機能が高まることで、体全体の疲労感も緩和されるため、結果として目の疲れも改善されます。

頭蓋オステオパシーで目の周りの緊張をほぐす

頭蓋オステオパシーは、頭の骨や筋膜、脳脊髄液の循環を調整する手技です。目の周りの緊張は、頭蓋骨のわずかな歪みや、脳脊髄液の流れが悪いことで引き起こされます。特に、蝶形骨(ちょうけいこつ)という目の近くにある骨が硬くなると、視神経や血管を圧迫し、目の疲れが悪化します。
頭蓋オステオパシーでは、蝶形骨や側頭骨などをソフトに調整し、脳脊髄液の循環を改善します。これにより、目の周りの筋肉がほぐれ、血流も良くなるため、視界がクリアになり、疲れ目の回復が早まります。また、頭全体のリラックス効果もあり、ストレスによる目の疲れにも効果的です。

整体では、これらのアプローチによって肝臓の働きを整え、目の疲れの根本改善を目指します。次は、自宅でできる簡単なセルフケア方法について解説していきます。

セルフケア方法—自宅でできる簡単なケア

1. 目の疲れに効く「ツボ押し」
東洋医学では、目の疲れに効果的なツボがあります。特におすすめなのが「太衝(たいしょう)」という足のツボです。これは肝臓の経絡に属しており、押すことで肝臓の働きをサポートし、目の疲れを緩和します。
方法:
足の親指と人差し指の間を骨に沿って少し上に上がった部分を親指で5秒ほど押し、ゆっくり離します。これを左右で3回ずつ繰り返します。
痛気持ちいい程度の力で押すのがポイントです。

2. 目の血行を促す「パーミング」
パーミングとは、手のひらで目を覆い、温める方法です。これは目の周りの血行を良くし、疲れを和らげます。また、リラックス効果があり、肝臓へのストレスを軽減します。
方法:
手をこすり合わせて温め、そっと目の上に当てます。
目を閉じて深呼吸をし、3〜5分程度リラックス。
目の奥まで温かさが伝わり、視界がクリアになるのを感じるでしょう。

3. 食事でサポート—肝臓に良い食材を積極的に摂る
肝臓はビタミンAやB群、タウリンを多く必要とします。にんじんやかぼちゃ、レバー、青魚などは肝臓の働きを助け、目の疲れの回復をサポートします。また、緑茶やウコンには解毒作用があり、肝臓の負担を減らす効果があります。
おすすめ食材:
にんじん、ほうれん草(ビタミンA)
青魚(タウリン)
緑茶(カテキン)

これらのセルフケアを取り入れることで、目の疲れを根本から改善し、肝臓の健康も維持できます。次は、今回の内容をまとめ、今後のケアのすすめについてお話しします。

まとめと今後のケアのすすめ

目の疲れは、単なる目の使い過ぎだけでなく、肝臓の働きと深く関係しています。東洋医学と現代医学、そしてオステオパシーの視点から見ても、肝臓の血流や解毒機能、自律神経のバランスが目の健康に影響を与えていることがわかりました。
整体では、内臓マニピュレーションや頭蓋オステオパシーを用いて、肝臓の機能をサポートし、目の疲れを根本から改善するアプローチが可能です。また、自宅でできるホットパックやツボ押し、食事の工夫も効果的です。
今後は、目の疲れを感じたときに目薬や休息だけで済ませず、肝臓のケアも意識してみましょう。整体での定期的なメンテナンスとセルフケアを組み合わせることで、目の疲れだけでなく全身の健康も維持しやすくなります。目と肝臓のつながりを理解し、健やかな目と体を目指していきましょう。

整体なおは用賀駅徒歩1分の整体院です。
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この整体コラムを書いた人

整体院整体なお院長・鍼灸あん摩マッサージ指圧師・整体師直井 昌之

経歴

  • 早稲田大学スポーツ科学部卒業
  • 日本鍼灸理療専門学校昼本科卒業
  • 卒業後、修行のため神奈川県市の鍼灸接骨院で働き、ケガの処置やマッサージについて学ぶ
  • 根本的な体の改善を目指すために、トレーニング、理学療法や整体、カイロプラクティック、機能神経学、オステオパシーを学び始める。
  • 自律神経失調症のセミナー フィリップ・ブルディーノD.O
  • 内臓マニピュレーション リタ・ベナモアD.O
  • 内蔵オステオパシー泌尿生殖器セミナー ジェローム・バティストD.O,M.D
  • オステオパシーの診療における診断と治療 カール・スティールD.O
  • マッスルエナジーテクニック国際セミナー 頸椎、胸椎、肋骨、腰椎 カイ・ミッチェルD.O
    など計700時間以上の研修会に参加

資格

  • 鍼灸あん摩マッサージ指圧師
  • 中学高校体育教員免許

所属団体

  • 日本オステオパシーメディスン協会・スティルアカデミージャパン4期生

メッセージ

オステオパシーを中心とした手技による施術をメインで行っております。
少しでも快適な生活を送れるようにサポートしていければと思います。
「院長あいさつ」にさらに詳しいプロフィールを載せていますのでぜひご覧ください。

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