肩こりは、多くの人が経験する不調のひとつですが、その原因は単なる筋肉の問題だけではありません。実は、神経の圧迫や滑走性(神経の動き)が悪くなることも大きく関係しています。今回は、肩こりと神経の関係、整体でできるアプローチ、そしてセルフケアについて詳しく解説します。
肩こりの原因は筋肉だけではない!
肩こりの原因として一般的に考えられるのは、筋肉の緊張や血流の悪化です。しかし、それだけでなく、肩に影響を与える「神経の圧迫」も重要な要因となります。特に、以下のような神経が圧迫されると、肩こりや首の痛みが生じやすくなります。
肩こりに影響を与える神経
副神経(XI脳神経)
肩甲背神経
副神経(XI脳神経)
副神経(ふくしんけい)は、第11脳神経(XI脳神経)とも呼ばれ、僧帽筋と胸鎖乳突筋という2つの重要な筋肉を支配する神経です。これらの筋肉は、首や肩を動かす役割を担っており、特に肩をすくめる(肩を上げる)動作や、首を回す動作に関与しています。
副神経が圧迫されるとどうなる?
副神経が圧迫されたり機能が低下すると、以下のような症状が現れやすくなります。
- ✅ 肩がだるくなる、重く感じる
- ✅ 肩をすくめる動作がしづらい(例:荷物を持つときに肩が上がりにくい)
- ✅ 首を左右に回しづらい、動かすと疲れる(例:後ろを振り向くときに首が回りにくい)
- ✅ 肩の高さが左右で違ってくる(片側の肩が下がる)
具体的な例:日常生活での影響
例えば、パソコン作業やスマホを長時間使うと、胸鎖乳突筋や僧帽筋が緊張し、副神経が圧迫されやすくなります。その結果、「肩がこる」「首が回らない」「肩が重い」などの症状が現れます。
また、バッグを肩にかけると、肩をすくめる動作を頻繁に行いますが、副神経の働きが悪いと、片側の肩が下がりやすく、バランスが崩れ、肩こりの原因になります。
肩甲背神経
肩甲背神経(Dorsal Scapular Nerve)は、C5(第5頚神経)から分岐する神経で、主に肩甲骨を安定させる役割を持つ筋肉を支配しています。この神経は、肩甲骨の動きや姿勢の維持に深く関与しており、圧迫や機能低下が起こると、肩甲骨の動きが悪くなり、肩こりや背中の違和感につながります。
肩甲背神経が圧迫されるとどうなる?
肩甲背神経の圧迫や滑走性の低下が起こると、以下のような症状が現れます。
✅ 肩甲骨の動きが悪くなる(引き寄せにくい)
✅ 肩甲骨周りが張る・痛む(特に内側)
✅ 肩をすくめると痛みが出る(肩甲挙筋の影響)
✅ 背中のコリや違和感が続く(菱形筋の機能低下)
✅ 猫背になりやすい(肩甲骨が外側に開きやすくなる)
例えば、長時間のデスクワークやスマホ使用によって前かがみの姿勢が続くと、肩甲背神経が圧迫され、肩甲骨の動きが悪くなります。その結果、肩甲骨の内側が痛くなったり、肩こりが慢性化したりすることがあります。
神経の圧迫が肩こりを引き起こすメカニズム
神経の圧迫が肩こりを引き起こす理由はいくつかあります。
1. 筋肉の緊張による圧迫
長時間のデスクワークやストレスにより、僧帽筋や胸鎖乳突筋が硬くなると、その間を通る神経が圧迫されます。特に、**強さ乳突筋の後ろから出る4つの神経(小後頭神経、大耳外神経、頚横神経、鎖骨上神経)**が影響を受けやすいです。
2. 神経の滑走性の低下
通常、神経は筋肉の間をスムーズに動く必要があります。しかし、筋肉が硬くなったり、炎症が起こると、神経が引っ張られたり動きにくくなり、痛みや違和感が生じます。
3. 頚椎のアライメント(姿勢)の問題
ストレートネックや猫背の姿勢は、神経の圧迫を強める要因になります。特に、首の前方変位(フォワードヘッドポスチャー)は、**星状神経節(交感神経の集まる部分)**の圧迫を引き起こし、自律神経の乱れや冷えの原因にもなります。
整体でできるアプローチ
整体では、肩こりの原因となる神経の圧迫を解消するため、以下のアプローチを行います。
1. 神経の滑走性を改善
神経が筋肉の間をスムーズに動くようにするため、手技で筋肉と筋膜の癒着を剥がし、神経の動きを回復させます。特に、強さ乳突筋や斜角筋のリリースを行うことで、神経の動きを良くします。
2. 筋肉のバランス調整
肩こりがある人は、多くの場合、僧帽筋や肩甲挙筋が過剰に緊張しており、逆に深層の筋肉(頭長筋、頚長筋など)が機能していないことが多いです。整体では、過緊張している筋肉を緩め、インナーマッスルを活性化させる施術を行います。
3. 姿勢の調整
首や肩に負担がかからない姿勢を作るため、胸椎や骨盤の調整も行います。骨盤の歪みは頚椎の歪みに影響を与えるため、全身のバランスを整えることが重要です。
セルフケアとしてのストレッチ
1. 胸鎖乳突筋ストレッチ
やり方
右手を左の鎖骨の上に置く。
顔を左斜め上に向ける。
そのまま20秒キープし、反対側も同様に行う
効果
胸鎖乳突筋の緊張を和らげ、神経の通りを良くする。
2. 頚椎ストレッチ(チンインエクササイズ)
やり方
顎を軽く引き、後頭部を真上に引き上げるように意識する。
そのまま5秒キープし、10回繰り返す。
効果
頚椎のアライメントを整え、神経の圧迫を軽減する。
3. 肩甲骨はがしストレッチ
やり方
両手を後ろで組み、肩甲骨を寄せながら胸を開く。
10秒キープし、3セット行う。
効果
僧帽筋や肩甲挙筋の緊張をほぐし、神経の動きをスムーズにする。
まとめ
肩こりの原因は単なる筋肉の問題だけでなく、神経の圧迫や滑走性の低下も関係しています。整体では、神経の動きを改善し、筋肉のバランスを整えることで肩こりを根本から解消できます。日常的にストレッチを取り入れることで、肩こりを予防することができます。普段から正しい姿勢を意識し、定期的なケアを行うことで、肩こり知らずの快適な生活を目指しましょう!
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